敬愛大学 校友会報 -Keiai University Press-
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敬愛大学校友会
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ESSAY

 
 「思い出コーナー」からお話をいただいたということは、それだけ長く敬愛大学で教えてきたということで、感慨深いものがある。国際学部設置の1997年から、もう21年になる。
 ひとりひとりの学生との思い出を語ればきりがないので、今回は、私が担当してきた「海外スクーリング」の話をしようと思う。都合が良いことに、国際学会編集の『Jump into a New World!』(学生の体験記録集)がほぼ一年に一冊のペースで出版されており、「海外スクーリング」はその目玉記事を提供してきた。つまり、懐かしい学生の文章と写真がふんだんに掲載されているので、随分古い話も昨日のことのように甦ってくる。
 「海外スクーリング」は正規の授業で、原則、訪問地域(或は目的)の専門家が引率する。私ならば専門がアメリカなので、アメリカ引率というのが妥当であるが、最初の訪問地はフィリピンだった。知らない分野への挑戦という冒険心と、専門家の指導を受けながらの緻密な準備とでこれを乗り切った。
 JICA指導の「高生産性稲作技術研究プロジェクト」、「家族計画母子保健プロジェクト」、「エイズ対策プロジェクト」、SALT(NGO)のスモーキーバレー(ゴミの山)での活動、等の現場を訪ね、日本人専門家から説明を受けたり、農家の人、現地小学校の先生やこどもたちと交流しながら現地の文化にも触れた。滞在は1週間に過ぎなかったが、貧困や病気など解決されなければならない問題をつきつけられ、わたしたちは、現実から目を離してはいけないと自覚させられた。実際に、卒業後、途上国を仕事の場所として選んだ学生もいる。
 アメリカへの引率も2回担当した。2007年度のスクーリングでは、ニューヨークに1週間滞在し、国連本部、自由の女神、メトロポリタン美術館など有名な観光地も訪れたが、NYU(大学)で日本語の授業を見学したり、日本人学校で子供たちと交流したりした。またこの時は、現在TBSの情報番組「ニュースキャスター」にコメンテーターとして出演しているピーター・ランダースさん(ウォールストリートジャーナル東京支局長)が、WSJ本社を案内してくれた。眼下に見たワールド・トレード・センターの跡地は、新しいビル建設の工事現場となっていたが、9.11の被災現場として私たちの記憶に強く刻まれた。
 学生の文章や写真はとても懐かしく、1200文字のスペースでは書ききれない豊かな思い出が詰まっている。来年2月、また引率で、ニューヨークとワシントンDCを訪れる予定である。

増井由紀美
 

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